Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
金吾 え? すると、あの黒田先生、なくなられたんで? へえ!
鶴 おしらせしなかったんですか?
金吾 へえ。いや……そうでやすか。
春子 ……悪るかったと思います。おしらせもしないで。でも、あの時分は、いろいろ取りこんでいて――それに外国のことだし――おさわがせしてもと思ったり、ツイね。……いえ私にしたって父がいなくなったって事、身にしみてそう思うのは、今日が初めてみたいなものよ。ほんと!(涙声の中から、わざと笑って見せるような明るい言い方で)……お父さま、春はもう赤ちゃん持ったりしてるけど、まだ小さい娘だわ。……(静かに泣く)
遠くで馬のいななき。……しめやかに黙した人たちを乗せて馬車がギイギイ、パカパカシャンシャンと行く。
音楽(信州のテーマ)
近くで山鳩の声。
二人の足音が来て停る。
金吾 ごらんの様に、こっちの三枚分だけがうまく行って、こうやって育ちやした。
春子 まあねえ。お父さまが、どこからか見ていて、喜んでいらっしゃるわ。
金吾 でも、向うの五枚はあの通り消えちゃったり苗の先が焼けたようになって、しくじっちまったんでやす。おらのやり方が行きとどかねえんで。