Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
金吾 あ、春子さま! ……(二、三歩思わず歩き出すが、立停って、そのドアの方をじっと見つめている。間……その閉ったドアの奥から、火がつくように敏子が泣き出した声が聞える。それをききながら、石のように立っている金吾)
激しい音楽。
敦子 (音楽がやむと、その尻にかぶせるようにして、叩きつけるような涙声で)だから金吾さん、ですから、どうしてあなたはその時、春子さんを力ずくででも引とめて下さらなかったのよ。どうしてそれを指をくわえて、あなた見ていたんですの。
金吾 (弱りきっている)敦子さま、そうおっしゃられても、俺にゃどうも。それにその後の春子さまの身の上のことを俺あよく知らなかったし、横田さんと言う人が、春子さまのどういう人に当るのか、見当がつかなかったし……
敦子 横田は、あれはゴロツキよ。セメント会社を小笠原と言う男と組んで、すっかり乗っとってね。敏行さんをふみつけにした挙句、ウロウロしている春子さんをつかまえて、さんざんこき使ったり、利用したりした挙句に、お妾さんみたいに扱っているのよ。そんなあなた、遠慮なんかしなけりゃならない相手じゃないのよ。
金吾 だけんど、だら、春子さまがどうしてああ言われて、その場から東京に一緒にお帰りになったんですかね。