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Japanische Klassiker mit Furigana

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しげき「すいせんともくぎょ」

三好十郎の仕事 別巻

三好 十郎

Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme

Aozora Bunko

グルグルと振りまわされているような、

足が地につかないで、あがいてもあがいても

雲ばかり踏んで、胸がドキドキするばかり、

はがゆいようにウットリして、

恋とも愛とも自分では気が附くものでございますか

それに戦争でございます、空襲です、

一人々々の心の奥の出来ごとに、

人も自分も気が附く暇もありません。

煮えくりかえる釜の中で

ただもうボーッとしていたのです。

皆さま、とくに御存じの、こんな女の私が

持ってまわった恋物語でもありません

ズケズケとかんじんの所だけを申します。

その人は徹男と言いました

苗字は――まだその人の一族が、たくさん東京に居りますし、

さしさわりがあるといけませんので申し上げません。

昔の私の先生で、名前をいえば

多分みなさまもいくぶんは御存じの

進歩的な社会学者の、弟でした。

仮に山田としておきます。

山田先生――山田教授――の弟の

山田徹男。

口数のすくない静かな人で

それでいて、いつでも怒っているように激しいものを持っていて

顔色の青いのも、内から燃えて来るものを、

押えているせいです

ただ眼だけが時々やさしい眼になって

濡れたようになるのです……

いいえ、あの人の顔や姿を語るのはやめましょう