Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
春子 (やっと気がついて、弱い声で)ああ、金吾さん、どうしたの、ここ何処?
金吾 ここは上野の駅だ。
春子 あの、それで一郎は? 一郎はどうしたの?
金吾 坊やはちゃんとここで無事で寝てるだから心配しねえで。どうして春さん、こんな所にいやした? いや俺やな、あんた方を探しに、四、五日前に信州から出て来て、銀座へ行ったが誰もいねえし、そいから市川へ行ったり、保土ヶ谷へ行ったりしても、あんた居ねえしな、いくら探しても見つからねえもんで、とうどう、とにかく一度、信州に帰るべえと思ってね、そいでここに来て並んでたとこだ。
春子 そうお、どうもありがとう金吾さん。私はね、なんですか、さっぱりわからないけど、空襲が恐くって、そいで一郎に怪我をさしてはいけないと思ってね、そいで市川の方へ行こうと思ったけど、その途中でまた空襲があるし、道がわからなくなってしまって、そいでね、そいでね、仕方がないから野辺山のあなたの所へ逃げようと思って、ここで、もうおとついか昨日からさんざんナニしてるんだけど――(メソメソ泣きはじめる)
金吾 泣かねえでもいい、春さん、泣かねいでも、もう俺がちゃんとこうしているのだから、大丈夫だ。