Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
百人が千人、一人のこらず
おしまいは必らず、こうなるのですからね!
生きている時こそ、なんのなにがしと
名前が有ったり金が有ったり慾が有ったりしますけれど
ごらんなさいまし!
こうなるとコケの生えた石ころやら
くさりかけた棒ぐらいですわ
ナムアミダブツ、ナムアミダブツ
ちっとばかり生きていると思って
慾をかいて、汗をかいて
くさい臭いをプンプンさせても
無駄なことではございますまいかの」
花婆やはカナつんぼのくせに
おそろしいおしゃべりで
しかもひとりごとの大家です
そこら中につつぬけに響く大声でしゃべりながら
墓地と垣根にはさまれた
細長い無縁墓地に並んだ
無縁ぼとけの墓の間を
毎朝の日課の、ほうきで掃きながら
昇さんが近くを通るのにも気もつきませんが
垣根の向うの花畑の方で
かきまわされるコヤシの
音はまるきり聞こえなくても
鼻はつんぼでないものだから
ムカムカするほど、かげるからです
花婆やは、それはそれは人の良い
念仏きちがいの婆やですけど
内の父の気持が伝染して
コヤシの臭いを憎んでいるのです
いえ、正直いちずの人の好い人間の常で
当の父よりも伝染した方の婆やの方が
憎む気持がいちずです
ははは、お婆さん今日もやってるなと