Japanische Klassiker mit Furigana
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ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
Lesen Sie 五重塔 (ごじゅうのとう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.316 Zeichen · 111 Bildschirme
其七
時のその心持、お上人様、わかりまするか、ええ、わかりまするか、これだけが誰にでも分ってくれれば塔も建てなくてもよいのです、どうせ馬鹿なのっそり十兵衛は死んでもよいのでござりまする、腰抜鋸のように生きていたくもないのですわ、其夜からというものは真実、真実でござりまする上人様、晴れて居る空を見ても燈光の達かぬ室の隅の暗いところを見ても、白木造りの五重の塔がぬっと突っ立って私を見下しておりまするわ、とうとう自分が造りたい気になって、とても及ばぬとは知りながら毎日仕事を終るとすぐに夜を籠めて五十分一の雛形をつくり、昨夜でちょうど仕上げました、見に来て下されお上人様、頼まれもせぬ仕事はできてしたい仕事はできない口惜しさ、ええ不運ほど情ないものはないと私が歎けばお上人様、なまじできずば不運も知るまいと女房めが其雛形をば揺り動かしての述懐、無理とは聞えぬだけによけい泣きました、お上人様お慈悲に今度の五重塔は私に建てさせて下され、拝みます、こここの通り、と両手を合わせて頭を畳に、涙は塵を浮べたり。
其七
木彫りの羅漢のように黙々と坐りて、菩提樹の実の珠数繰りながら十兵衛が埒なき述懐に耳を傾け居られし上人、十兵衛が頭を下ぐるを制しとどめて、わかりました、よく合点が行きました、ああ殊勝な心がけを持って居ら