Japanische Klassiker mit Furigana
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ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
Lesen Sie 五重塔 (ごじゅうのとう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.316 Zeichen · 111 Bildschirme
其十四
方のまたあろうか、なぜお礼をば云われぬか、と左の袖は露時雨、涙に重くなしながら、夫の膝を右の手で揺り動かしつ掻き口説けど、先刻より無言の仏となりし十兵衛何ともなお言わず、再度三度かきくどけど黙黙としてなお言わざりしが、やがて垂れたる首を抬げ、どうも十兵衛それは厭でござりまする、と無愛想に放つ一言、吐胸をついて驚く女房。なんと、と一声烈しく鋭く、頸首反らす一二寸、眼に角たててのっそりをまっ向よりして瞰下す源太。
其十四
人情の花も失くさず義理の幹もしっかり立てて、普通のものにはできざるべき親切の相談を、一方ならぬ実意のあればこそ源太のかけてくれしに、いかに伐って抛げ出したような性質がさする返答なればとて、十兵衛厭でござりまするとはあまりなる挨拶、他の情愛のまるでわからぬ土人形でもこうは云うまじきを、さりとては恨めしいほど没義道な、口惜しいほど無分別な、どうすればそのように無茶なる夫の了見と、お浪は呆れもし驚きもしわが身の急に絞木にかけて絞めらるるごとき心地のして、思わず知らず夫にすり寄り、それはまあなんということ、親方様があれほどにあなたこなたのためを計って、見る