Japanische Klassiker mit Furigana
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ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
Lesen Sie 五重塔 (ごじゅうのとう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.316 Zeichen · 111 Bildschirme
其十三
ず、お吉、十兵衛めがところにちょっと行て来る、行違いになって不在へ来ば待たしておけ、と云う言葉さえとげとげしく怒りを含んで立ち出でかかれば、気にはかかれど何とせん方もなく、女房は送って出したる後にて、ただ溜息をするのみなり。
其十三
渋って開きかぬる雨戸にひとしお源太は癇癪の火の手を亢らせつつ、力まかせにがちがち引き退け、十兵衛家にか、と云いさまにつとはいれば、声色知ったるお浪早くもそれと悟って、恩あるその人の敵に今は立ち居る十兵衛に連れ添える身の面を対すこと辛く、女気の繊弱くも胸をどきつかせながら、まあ親方様、とただ一言我知らず云い出したるぎり挨拶さえどぎまぎして急には二の句の出ざるうち、煤けし紙に針の孔、油染みなんど多き行燈の小蔭に悄然と坐り込める十兵衛を見かけて源太にずっと通られ、あわてて火鉢の前に請ずる機転の遅鈍も、正直ばかりで世態を知悉まぬ姿なるべし。
十兵衛は不束に一礼して重げに口を開き、明日の朝参上ろうとおもうておりました、といえばじろりとその顔下眼に睨み、わざと泰然たる源太、おお、そういう其方のつもりであったか、こっちは例の気短ゆえ今しがたまで待っていたが、いつになって汝の来るか知れた