Japanische Klassiker mit Furigana
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ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
Lesen Sie 五重塔 (ごじゅうのとう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.316 Zeichen · 111 Bildschirme
其八
無価の宝珠の微光を認めしこそ縁なれ、こたびの工事を彼に命け、せめては少しの報酬をば彼が誠実の心に得させんと思われけるが、ふと思いよりたまえば川越の源太もこの工事をことのほかに望める上、彼には本堂庫裏客殿作らせし因みもあり、しかも設計予算まではや做し出してわが眼に入れしも四五日前なり、手腕は彼とて鈍きにあらず、人の信用ははるかに十兵衛に超えたり。一ツの工事に二人の番匠、これにもさせたし彼にもさせたし、いずれにせんと上人もさすがこれには迷われける。
其八
明日辰の刻ごろまでに自身当寺へ来たるべし、かねてその方工事仰せつけられたきむね願いたる五重塔の儀につき、上人直接にお話示あるべきよしなれば、衣服等失礼なきよう心得て出頭せよと、厳格に口上を演ぶるは弁舌自慢の円珍とて、唐辛子をむざと嗜み食える祟り鼻の頭にあらわれたる滑稽納所。平日ならば南蛮和尚といえる諢名を呼びて戯談口きき合うべき間なれど、本堂建立中朝夕顔を見しよりおのずと狎れし馴染みも今は薄くなりたる上、使僧らしゅう威儀をつくろいて、人さし指中指の二本でややもすれば兜背形の頭顱の頂上を掻く