Japanische Klassiker mit Furigana
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ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
Lesen Sie 五重塔 (ごじゅうのとう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.316 Zeichen · 111 Bildschirme
大工に取っての刀なれば、何かは堪らん避くる間足らず左の耳を殺ぎ落され肩先少し切り割かれしが、し損じたりとまた踏ん込んで打つを逃げつつ、抛げつくる釘箱才槌墨壺矩尺、利器のなさに防ぐ術なく、身を翻えして退く機に足を突っ込む道具箱、ぐざと踏み貫く五寸釘、思わず転ぶを得たりやと笠にかかって清吉が振り冠ったる釿の刃先に夕日の光の閃りと宿って空に知られぬ電光の、疾しや遅しやその時この時、背面の方に乳虎一声、馬鹿め、と叫ぶ男あって二間丸太に論もなく両臑脆く薙ぎ倒せば、倒れてますます怒る清吉、たちまち勃然と起きんとする襟元把って、やい我だわ、血迷うなこの馬鹿め、と何の苦もなく釿もぎ取り捨てながら上からぬっと出す顔は、八方睨みの大眼、一文字口怒り鼻、渦巻縮れの両鬢は不動を欺くばかりの相形。
やあ火の玉の親分か、わけがある、打捨っておいてくれ、と力を限り払い除けんとき焦燥るを、栄螺のごとき拳固で鎮圧め、ええ、じたばたすれば拳り殺すぞ、馬鹿め。親分、情ない、ここをここを放してくれ。馬鹿め。ええ分らねえ、親分、あいつを活かしてはおかれねえのだ。