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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

暗夜に自分達のゆく手をさえぎって、自分の主人の息女――しかも自分の恋人をどこへか誘って行こうとする。この怪しい異国の男に対して、なんの遠慮も容赦もなかった。彼はその男を手あらく突き退けて、小坂部の手をとってふた足三足あゆみ出すと、眇目の男はまた追いすがって来て、小坂部の袂を掴もうとした。采女はいよいよ焦れて彼の腕を強く捻じあげた。

「異国の奴とて命は二つあるまいに、いつまでも邪魔して後悔するな。」

言うかと思うと男の痩せたからだはもう大地に投げ付せられていた。それをあとに見捨てて三人は暗い路をまた走った。眇目の男――それがどうして執念く付きまつわるのか、小坂部は言い知れない不安と疑惑とを感じながら、この場合どうすることも出来ないので、かれは采女のなすままにして真っ直ぐに館へ急いだ。眇目の男のほかに、まだ一つの黒い影が途中から彼等のうしろに付き纏って来たことを誰も知らなかった。

堀川の館はもう一町ほどの前に近付いた時に、うしろの黒い影が何かの合図をすると、暗い物蔭から更に七、八人の黒い影があらわれて、ばらばらと駈けよって三人を押っ取り巻いた。再度の敵に采女はまた驚いた。