Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
遅かれ早かれ他へ縁付けなければならないのだ。(又笑う。)高田さんは善い人だよ。
柳 そりゃ私も知っているけれど……。じゃあ、いよいよと云うときには、お前さんも承知してくれるのね。
李中行 むむ、承知するよ。日本人でも何でも構うものか。相手が正直で、よく働く人で、娘も進んで行くというなら、おれは喜んで承知するよ。昔と今とは世の中が違うからな。
柳 お前さんがそう云ってくれれば、わたしも安心だけれど……。
李中行 それだから安心していろよ。はははははは。
(正面の扉をたたく音。)
柳 阿香が帰ったのかしら。(考える。)そんなら戸をたたく筈もないが……。
李中行 それとも、せがれが遣って来たのかな。
(柳は立って扉をあけると、旅すがたの男一人入り来る。男は四十余歳にて、鬚あり。)
柳 (すかし視て。)おまえさんは誰だね。
旅の男 おかみさんはもう私を見忘れましたかね。
柳 はてね。そう云えば、なんだか見たような顔でもあるが……。
旅の男 (笑いながら。)御亭主は覚えていなさるでしょうね。
李中行 (立ちあがって覗く。)成程、見たことがあるようだが……。ちょっと思い出せないな。
旅の男 (しずかに。