Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lesen Sie 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.298 Zeichen · 100 Bildschirme
富士川の鮎も育ちが遅れていたために、もう九月下旬だというにまことに若い。腹に片子ができたばかりで、まだ落ち鮎の趣となっていない。つまり、いまが壮年期だ。越後の魚野川の鮎と同じように、一カ月はおくれている。だから、十月中旬までは静岡県内でも山梨県内でも大きな立派な鮎が釣れると思う。
鮎は、六、七十匁に育てば立派なものだ。自分で釣った鮎を、そのまま家へ持ち帰って焙って食べればこれを至味という。ところで私は、八月下旬美濃国上保川の上流郡上郡地先でとれたのであるという五、六十匁の大鮎を、築地のさる料亭で食べて見た。けれど姿が立派であっただけで、味も香も消え失せていた。これは、産地から長い旅を二、三日、氷詰となってきたために、氷に香と脂肪を吸いとられてしまったためである。だから、自分で釣った鮎を、直ぐその夜食べるに越したことはない。
今月下旬になれば、腹の粒子も育ってくるであろう。人によっては、鮎は肉よりも粒子にうま味があるという向がある。それは人の好き好きであるから当否は別として、腹一杯に卵を抱えた大鮎もまた立派だ。その大鮎は、落ち鮎の頃とならなければ得られないのである。