Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lesen Sie 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.298 Zeichen · 100 Bildschirme
釣聖伝
幸田露伴博士は凝り屋で有名である。文学の方は本職であるから、別として、一般科学の知識に通暁して居て、家庭の道具でも、遊戯の機械でも自分の手でひねくって見なければ承知しない。
先生の趣味は格別で、利根川に於ける鱸の素人釣は先生が創始したといっても過言で無いかも知れぬ。三十数年前から利根川へ行って、今日まで釣った鱸の数は何百本とも知れぬだろう。それで錘も鈎も竿も糸掛も、全部手製でなければ承知しない。独特の工夫を施して万事科学的に行こうというのが博士の道楽で、鱸釣の仕掛や道具は何百種類と持って居る。
海釣はあまり好きでないそうだ。というのは、海釣には独創的の処がない。万事船頭任せで、釣場でも釣方でも船頭の指図に従い、釣人の意見は多くの場合通用しない。これが馬鹿々々しいというのである。
釣方も、釣場も自分で研究調査してその材料を基調とし、釣れても釣れないでも自分の釣遊気分を満足させようというのが釣の本質であるのだが、海へ行くと、船頭から藤四郎扱いをされながら万事その意見に従わねばならないから面白くない。
ところが河の釣は、自分の気儘勝手である。高(瀬)を釣ろうが、淵を釣ろうが、竿が長かろうが、矩かろうが好き勝手である。