Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lesen Sie 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.298 Zeichen · 100 Bildschirme
二
「これはなんですか」
「これも、今朝とれた二頭の抹香鯨の頭だけです」
「うわ……」
鯨は大きいものだと聞いてはきたが、頭だけでも我々が住んでいる家ほどもある。
「この一つの頭のなかには、油が石油罐に二百四、五十杯も入っているでしょう。一頭の抹香鯨の油、皮、肉、臓腑などを計算すると、ざっと一万円位にはなりましょうかね」
「驚いた」
「こんなのは大したことはありませんよ。白長鬚鯨の大きいのになると、一頭で二万五千円にもなります」
というのだ。昔から鯨一頭とれれば七浦賑わう、というが、それは嘘の話ではなかったと僕はつくづく感心した。
二
いよいよ金華山沖の太平洋へ鯨とりに行くのだ。僕と村田氏は四日の夜半の十二時に捕鯨船第二京丸に乗込んだ。
第二京丸は三百四十噸、昨年の十月から今年の四月まで捕鯨母船極洋丸と共に南極の洋へ遠征し、キャッチャーボートとして百七十頭の巨鯨をとった手柄の船だ。四月に日本に帰って来て以来、ずっと鮎川港に根拠を置き、金華山の沖合遙かに出漁して、毎日大物を追い廻しているのである。
南極の洋は別として、一体日本の近海で幾頭の鯨がとれるかというと近年では二千頭を超えている。