Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lesen Sie 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.298 Zeichen · 100 Bildschirme
釣場の研究
釣人の気質にはいろいろある。けれど大別すると、大量に魚を釣りたい、その目的のためには他人の迷惑も顧みない、という人と、釣れぬでもよし、若し釣れれば運がいいのだ、一日水に親しんだだけで何の不足も感じない、という気持の人との二種になるようである。いずれもその人の性から来るものであるからどうということはないが、私は後者の気分を尊び度いと思う。とはいうものの、沢山魚が釣れた時は、ほんとうにうれしい。心が賑やかになる。先年の秋に鴨居へ行ったところ、大そう釣れた。大部分船頭が釣ったようなものではあったが、釣れないよりよかったのである。ボーッと頭に何もない心境になれるところに、釣の徳があるのではないかと考える。ここに、釣り趣味が人の心に食い入って行ったゆえんがある。鴨居というのは、三浦半島浦賀から半里ばかりの、東へ向って上総へ対している小さな漁村である。この漁村に英太郎という漁師がいる。年は四十二、三、実直な顔をしている。名人の域に達している男で、この男の知っている根(釣場)は三十カ所近い。その中には、誰も知らない根があって、英太郎はこれを図面に書いて秘蔵している。