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Japanische Klassiker mit Furigana

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あおいはらふじんのたいつり

垢石釣游記

佐藤 垢石

Lesen Sie 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.298 Zeichen · 100 Bildschirme

Aozora Bunko

河鱸遡上一考

一

一

鱸は八十八夜過ぎると、河に向うそうである。すると、かなり水温の低い頃から遡河をはじめるものと見える。

五月初旬というと、利根川は雪解水の出盛りである。分流江戸川へこの水が流れ込んで来るのはもちろんであるが当時上流地方に於ける水温は低い時で八度から九度、暖い日で十一度から十二度であるから、下流へ来るに従い次第に温まるにしろ、まだ人間が膝まで入れば、身ぶるいをする位であろう。江戸川口も、銚子口もまだ別れ霜を気遣って、茄子苗を露地へ出すのに、毎日日和ばかりを見て居る頃である。

東京附近で鱸が向う川は、江戸川、利根本流、荒川及び放水路、水戸の那珂川等幾本もないが、そのうち利根の二川は今申した通り、荒川は利根に比較して割合に雪解水が薄く、量も少いからこれは遡上が早いと見るのが至当である。那珂川は、奥山というものを持たない、即ち水源地方の山嶺が概して低いので、雪解水は毎年三月中には出てしまう。遅い年でも四月半ばまでには山が綺麗になってしまう。だから五月初旬には、湊町の川口附近では水温が十六、七度から、日和の暖かい日には二十度近くに昇ると思う。そして五月初旬から引続き土用頃まで、後からも後からも、鱸の群が川口を遡るのであろうが、水戸附近川口から僅かに三里強しか離れない那珂郡国田村附近に於て、七月の二十日過ぎ、どうしても