Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lesen Sie 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.298 Zeichen · 100 Bildschirme
蛙を食う岩魚
大きな山蜘蛛が、激しい溪流を、斜めに渡る姿を見た瞬間、水面にガバと音を立てて白泡の渦巻を残し、忽として蜘蛛が消え去る事がある。
水底に蟠踞する岩蔭から、岩魚が跳り出して喰ったのである。岩魚は、餌に対して驚く程勇敢である。そして何でも食う。
黄金虫、蜂、蜻蛉、蝉、蜘蛛、蝗、芋虫、ミミズ、蝶、何でも選り嫌いはない。
北アルプスの上高地梓川の上流は、近年岩魚の数が少くなったといわれているが、それ程でもない。心得のある者には相当釣れる。
乗鞍岳の西側の溪谷から出る、飛騨国高原川の上流は、魚が非常に濃い。飛騨の高山の近くを流れる宮川の支流には何処にも居る。中部日本の表と裏を繋ぐ飛越線、即ち越中富山を起点として、飛騨高山を過ぎ、美濃岐阜へ出る省線は、今年十一月には全部開通する事になっている。開通すればこの方面の釣は大そう盛んになるであろう。岩魚や山女魚ばかりではない、飛騨と美濃と越中は鮎の友釣で有名な国である。
長野市外で信濃川へ合流する裾花川も、水源地戸隠山の溪谷へ入れば、岩魚の形のいいのが居る。さらに、黒姫山の谷の奥から出て来る関川の上流は、岩魚の棲む川として近頃漸く知られて来た。