Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lesen Sie 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.298 Zeichen · 100 Bildschirme
親譲りの伝統で、季節により時間により、茂市の身体が無意識的にその時の最もよき条件に適合した場所へ運ばれるのであろうと見られるが、ひそかに彼の行動を注意してみると、彼は何の瀬にどういう底石があるか、その石に何月の何日頃から新鮮な水垢がつくかということに常に眼をつけている。そして鮎の好む石々を陸上にあるもののように知悉していて、いつも他に先んじていい釣場を占める。釣人の心境は、ぼんやりしているところに妙味があるのであるが、釣場に対する神経は常に働かしておきたいと思う。自分で研究した釣場を持って居れば、他人に迷惑など掛けないで、充分に魚を釣ることができる。人生もそんなものであろう、と考える。自分の職場に忠実であれば、安心して生活を楽しむことができる。釣の名人になろうと思えば、水を深く、狭く研究するに限る。そして、このぼんやりとした心境ほど、味のあるものはない。
釣というものは、何を釣っても興趣が深い。目高やタナゴのような小物を釣れば独特な繊細な味があり、マグロやオオハタのような大物を釣れば男性的な豪快な味がある。だから川でも海でも、小物でも大物でもおのおのの好みにより、釣場や魚を選ぶものであるが、魚の価値に魅力を感ずるのはどの釣人も同じであるらしい。