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Japanische Klassiker mit Furigana

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あおいはらふじんのたいつり

垢石釣游記

佐藤 垢石

Lesen Sie 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.298 Zeichen · 100 Bildschirme

Aozora Bunko

深い海底の岩礁は、いつもこの上げ下げの潮に洗われて、ちょうど風通しのいい部屋のように、少しの濁りも水の色にない。

すがすがとして、そして庭樹をあしらったように海藻に繞まれた岩礁こそ、真鯛の楽園であるのだ。

上総の竹岡の漁師は、小鯛から中鯛釣を得意としているが、三浦半島の鴨居の漁師は中鯛から大鯛釣の技に秀でている。竹岡と鴨居は、東京湾口鯛釣場の双璧と称されているだけに、近年ここへ遊ぶ素人の釣師が夥しく増えて来た。

ほんとうに、姿が立派で味が上等であるという鯛は、この湾口の水道のあっちこっちと散在している岩礁に絡って、前年の冬から寒中を越した真鯛である。これを居付の鯛と言う。居付の鯛は、色あくまで冴えて、肌に煙程の濁りもない。そして頭は辷るように円く、背の肉張りがいかにも餌を飽食したように見える。全く、他の海から潮の旅を渡って来た鯛とは、骨相顔貌が異う。

生きた烏賊か、蝦を餌として鈎につけ三十尋から六、七十尋の深い海底へ下してやると、三、四百匁から、六、七百匁の中鯛、一貫目から二貫目以上もある大鯛が、グイと引き込む。身を顫わす程の豪快は形容の言葉がない。