Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「これは先生、かねてお願い申したのをただいま連れて参りました、なにぶんよろしく」

次の間で隙見をしていたお絹が、

「おや!」

と言って驚いたのは、手を取って駕籠から助け出したそれは、自分が手塩にかけたお松の姿であったからであります。

次の間で隙見をしていたお絹が驚いたばかりでなく、迎えに出た道庵もまた驚きました。お松にとっては道庵は再生の恩人であり、伊勢参りをした時に大湊で会って奇遇を喜んだこともありました。これはこれはと言って道庵もお松も直ぐ打解けた。事情を聞いて、連れて来たがんりきも喜んで、なおいろいろとお頼み申した上に無事に帰ってしまいました。

「お松ではないか」

お松はその声を聞いて、水をかけられたような心持がしました。そこに立っているのは、姿こそ今は丸髷の奥様風になっているが、もと自分を仕立ててくれたともかくも恩人でありましたから、

「まあ、お師匠さん」

頓には二の句がつげませんでした。

「珍らしいところで会ったね」

「どうも御無沙汰を致して済みませぬ」

「見ればお前はどこぞお邸奉公でもしておいでのようだが、どこに勤めていました」

「はい、三田の蜂須賀様のお邸に」