Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうしてお前、あの神尾様のお邸を出てしまったの」

「つい、よんどころないことが出来まして、それ故まことに……」

「人もあろうに、風呂番の与太郎とやらいう足りない男と逃げたというじゃないか」

「どうも申しわけがありません」

「お前があんな不始末をしてくれたおかげで、わたしは殿様の前へ、どんなに辛い思いをしたか知れやしない。ほんとに考えなしなことをしてくれたね」

「何卒おゆるし下さいまし」

「出来てしまったことは仕方がないが、もうその与太郎という風呂番とは手が切れてしまったのかい」

お絹が与太郎与太郎というのは与八のことですけれど、お絹の口ぶりによれば、お松と与八と逃げたのは不義をして逃げたもの、お松がその風呂番に嗾かされて逃げたものと思い込んでいるらしいから、お松は、

「あの人が、よく親切にしてくれましたけれど、わたしが上方へやられたものですから……」

「何が親切なんだろう、色恋にも名聞というものがあるのに、風呂番と逃げたんでは話にもなにもなりゃしない。ほんとうにわたしは、あの時ぐらい情けなく思ったことはありません」

「そういうわけではございませぬ」

「それからお前、上方へも行っていたそうな。