Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

所、名前は山下の銀床の銀といって……」

「よし、では鳥沢の粂を呼び出してからまた吟味をする、さがれ」

一通りの調べを受けて、がんりきの百は次の間へ下げられて燈火もない真暗なところへ抛り込まれてしまいました。

「何だつまらねえ、猿橋を裏から見物させてもらうなんぞは、有難いくらいなものだが、こう身体が弱ってしまったんじゃどうにもやりきれねえ、今までのお調べは通り一遍だが、これから洗い立てられりゃ、どのみち、銀流しが剥げるにきまってる、いつものがんりきならここらで逃げ出すんだが、身体の節々が痛んで歩けねえ」

と独言を言ってがんりきはコロリと横になりました。

夜中になるとがんりきの耳の傍で囁く声がしたから、がんりきはうとうとしていた眼を覚ました。

「百、しっかりしろ」

「兄貴か」

「野郎、また遣り損なったな、いいから俺と一緒に逃げろ」

「兄貴、動けねえ」

「意気地のねえ野郎だ、さあ俺の肩につかまれ」

「俺を荷物にしちゃあ兄貴、お前も動きがつくめえ、打捨っといてくれ」

「手前を打捨っておきゃあ、俺の首も危ねえんだ、早くしろ」

「それじゃせっかくだから、お言葉に甘えて御厄介になるべえ」