Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうも、拙者には、ちと強過ぎるようじゃ、馬はまことに良い馬だけれど」

「左様なことはございますまい」

「昔、楠正成卿は三寸以上のを好まれなかったとやら。四寸の強馬は分に過ぎたものに違いないが、しかし乗って面白いのは、やはり少々分に過ぎたものを乗りこなすところにあるようじゃ」

「左様でございますとも、そのお心がけさえおありなされば、どのようなお馬にお召しなされてもお怪我はあるまいと存じまする。それに私共にては、見所のありそうな馬には、昔の掟通り白轡五十日、差縄五十日、直鞍五十日を馬鹿正直に守って仕込ませました故に、拍子もわりあいによく出来ているつもりでござりまする」

伊太夫はこんなことを能登守に向って語りました。能登守はこの栗毛の馬に乗ってみようという心を起しました。

ほどなく能登守が馬に乗って勇ましく馬場を駈けさせる姿を、伊太夫はじめこちらから見ていました。

それとは少し異ったところで、

「お君や、あのお方が御支配様でありましょう」

と言って、椿の木の下でお君を招いたのはお銀様であります。

「まだお若い方でございますね」

お君も木の蔭に隠れるようにして、やや遠く能登守の馬上姿を見ていました。