Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「お君や、お前の髪の毛が少し乱れている、それをわたしが直して上げましょう」

と言い出しました。

「お嬢様、それは恐れ多いことでございます」

と言ってお君が辞退をしました。

「いいから、ここへお坐り」

強いて鏡台の前へお君を坐らせて、お銀様はその後ろへ廻りました。

お銀様は少し乱れたお君の髪を撫でつけてやりました。そうして自分の差していた結構な簪や櫛を抜き取って、それをお君の頭に差してやりました。

お君は、お銀様がなんでこんなことをなさるのかと変に思われてたまりません。

「お君や、お前、今日はわたしになってごらん、わたしと同じ髪を結って、わたしと同じ着物を着て、そうしてお前がこの家の娘になるといい」

「お嬢様、何をおっしゃいます、飛んでもないことを」

お君は呆れていますと、

「わたしがお前になって、お前がわたしになった方がよい、ね、そうしてごらん、わたし、こんな髪の飾りも要らない、こんな着物も要らない、帯も要らない」

「まあ、お嬢様」

お君がいよいよ呆れた時に、外でムクの吠える声がしました。

髪の飾りも要らない、着物も要らない、帯も要らないと言ったお銀様は、お君の呆れて言句も出でない間に、ついと次の間に行ってしまいました。