Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
小林君が公衆電話をかけてから、三十分もたったころです。にせの明智探偵は、あの鏡の部屋のアームチェアに、ゆったりと腰かけて、タバコを吹かしていました。まだ変装をとかないで、明智探偵のすがたのままです。このすがたで、まだ、一仕事するつもりなのでしょうか。
このとき、こつこつと、ドアをたたく音がしました。にせ明智の部下のものかもしれません。
「はいりたまえ。」
にせ明智は、ゆったりとして答えました。
ドアがスウッとひらきました。そして、そこに立っていた人は……。
にせ明智が、「アッ。」といって、いすから立ちあがりました。
ごらんなさい! ドアの外に立っていたのは、明智探偵だったのです。部屋の中にも明智探偵、ドアの外にも明智探偵、顔から洋服から、そっくりそのままの人間がふたり、むかいあって立っているのです。
にせ明智は、じぶんのすがたが、鏡にうつっているのではないかとおもいました。しかし、大鏡は、ドアのよこのほうに、ちゃんとあるのです。そして、そこにも、じぶんのすがたが、うつっているのです。明智探偵が三人になりました。じぶんと、ドアのところに立っているのと、鏡にうつっているのと、あわせて三人です。