Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
それでも、四十面相が懐中電灯の光で、顔に絵のぐをぬっていることはわかりました。
なにしろ、四十の顔をもつといわれる変装の大名人です。その手ばやいこと……。たちまち顔をしあげて、こんどはかばんの中から黒い服をとりだすと、それを黒シャツの上から着こみ、バンドをしめ、肩からなにかさげて、帽子をかぶり、靴をはきました。
変装がおわると、いままで着ていたオーバーをかばんに入れ、ふたをしめて、そのかばんを手にさげ、木のしげみからでてきました。
ポケット小僧は相手に見つからぬよう、すばやくしげみのはんたいがわにかくれましたが、見ると、そこにあらわれたのは、ひとりの警官でした。四十面相は警官に化けたのです。
ああ、なんといううまい変装でしょう。警官の制服に制帽、肩から革ひもで、ピストルのサックをさげているようすは、だれが見てもほんもののおまわりさんです。
ポケット小僧はその顔を見て、びっくりしてしまいました。さっきまでの四十面相と、まるでちがっていたからです。四十面相が変装したのではなくて、ほんとうのおまわりさんが、どこからかやってきたとしか思われません。
四十面相が、四十の顔をもつといわれるほどの変装の名人だということは、聞いていましたが、これほどの名人とは知りませんでした。