Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ようかいはかせ

妖怪博士/青銅の魔人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖怪博士/青銅の魔人 (ようかいはかせ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 212.920 Zeichen · 421 Bildschirme

Aozora Bunko

ひとかかえ以上もある大木が重なりあって立っていて、五六歩もふみこむと、もう、一間さきが見えないほどの暗さです。大きな森林の中へでも迷いこんだような感じなのです。

ジュクジュクする落葉をふんで歩いて行きますと、自分の足音のほかに、なんだかへんな音がきこえてきました。ギリギリ、ギリギリという、貝がらでもすりあわせているような音です。

虫が鳴いているのかしら。今ごろ虫が鳴くはずはないが、へんだな。オヤ、なんだか人間が歯ぎしりしているような音だぞ。

そこまで考えると、昌一君はハッとして立ちすくんでしまいました。

歩くのをやめても、その音はまだきこえています。しかも、それが、だんだん高くなってくるのです。

アア、歯ぎしりの音、あの有名な歯ぎしりの音。昌一君は一度もきいたことはありませんが、新聞の記事で知っています。青銅の魔人の歯車じかけは、ちょうど歯ぎしりのような音をたてるというではありませんか。

きっとそうだ。あの木のかげに、あいつがかくれているんだ。と思うと、ワッと叫んで逃げだしたいのですが、おそろしさに、からだがしびれたようになって、声をたてることも、身うごきすることもできなくなってしまいました。