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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

警察では「又、気狂いババが来た」といって取り合わなかった。それでもお母アは平気だった。――あまりやかましいので、一度特高室で進と面会をさしてやった。息子が係りの刑事に連れられて、入ってきたのを見るや否や、いきなり大声で「こン畜生! この親不孝の馬鹿野郎奴!」と怒鳴りつけた。刑事の方がかえって面喰らって、「まあ/\、こういう時にはそれ一人息子だ。優しい言葉の一つ位はかけてやるもンだよ。」すると、くるりと向き直って「えッ、お前さんなんて黙ってけずかれ!」とがなりかえした。ところが、その進が右手一杯にホウ帯をしているのを見付けて、「どうしたんだ?」ときいた。「ん、しもやけだ。」と進が返事をすると、見ている間に、お母アの眼がつり上がって、薄い唇がピリピリと顫え出した。「さ、警察の人ッ! どうしてくれるんだ? 人民を保護するとか何ンとか、口ではうまい事云って、この大事な息子の身体をこんなことにしてしまって、どうする積りなんだッ! さッ!」特高たちは、あ、又始まったと云って、自分たちの仕事にとりかゝって、見向きもしなかった。

検挙は十二月一日から少しの手ゆるみもしないで続いた。