Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
「それは若宮君が――若宮君が自分の好きで……」
「お前は、じゃァ、ずっとまえにいたあの芳町のおそのっていう芸妓のことを知らねえのか?」
「知ってるとも、よく知ってる……」
「あの女がどんなに若宮に惚れ、若宮がまたどんなにあの女に惚れていたかそれじゃァ知ってるだろう、お前だって?」
「だってしかしあの女は。――あの女は若宮君を捨てゝ大阪の……」
「じゃァねえんだ、無理から生木を裂いたんだ。……おやじとおふくろとで無理から二人をわかれさしたんだ。」
「ど、どうして?」
「勘平さんじゃァねえが、三十になるやならずの若い身そらの役者……というよりは芸人が女房をもっちゃァ折角の人気に障るからよ。」
「そ、そんな……」
「分らねえことはねえといったところでいまさら間に合わねえ。――そも/\の大根から間違って来ているんだ。――若宮のおやじやおふくろのあゝ若宮を大切にしたのはつまりは猿廻しが猿を大切にする……手めえたちの稼業道具を大切にするのと一つだったんだ。」
「しかし……」
「しかしもへちまもねえ、あいつらは若宮の、ほんとうのおやじでもおふくろでもねえんだ。――若宮のほんとうの親たちは外にあるんだ。