Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
――どんなにべろ/\になっても行きつくところまでは必ず行きついた。――いかにへたばってもいざとなればすぐ立直れた。――それの一ばんいゝ証拠はどんなに深く飲んだときでも、どんなに長いくさをつゞけたときでも、決して人のように、そのあと体がつかえない。――そんなことは決してなかった。「失敗ったかな、此奴?」と、ときにそう感じられることがあっても、起きぬけにすぐ熱い湯に入り、ぐッと一つそのあとで熱い奴さえ引ッかければ、立所に、奇妙な位立所にケロリとした。そうして、あと、いくらでもまたつゞけられた。――それほど怯げないかれだった……
「強いんだなァ、金平さんは……」
大ていのものはそれをみたゞけで感心した。
「不死身なんだね。――つまりはそうなんだね、俺は。」
それに対して、かれは、そういってはつねに頤を撫でた。そうしてそれを……誰もそれをほんとうに思った。
が、四十という声のかゝる前後からだん/\その不死身があてにならなくなって来た。そうして五十という声のいよ/\聞えて来たとき、いつかかれは飲むとすぐ眠くなるくせがついていた。文字通り前後不覚になるくせがついていた。