Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme

Aozora Bunko

諸君の中には近頃一読せられた人もあろうと思うが、清水文弥翁の『郷土史話』には、野州那須の農村における実験が記してある。曰くカラハシは竹を割って作ったもので、一人一日の能率は稲三十六把、籾約七斗二十一貫目を扱けばよいことになっていた。ところが名古屋産の千把コキを使うと、たちまち能率はその二倍になったとある。すなわち是は鉄製のものであったろう。現在に至ってはこの二機ともに廃れ、改良稲扱機の能率は一日に四十俵、すなわち竹のカラハシの約二十七八倍になったと言っているが、勿論その後さらに有効なるものもできているはずで、つまりは百年前には一人の力で、一月以上も費すべかりし仕事を、今では丸一日もかからずに片づけるようになってしまったのである。

右の竹製のカラハシにかわった鉄製の千把コキなるものも、早くから有るには有ったが、それが普及したのは至って新しいことであった。中国の最も交通のよく開けた農村ですらも、今から四十年ばかり前、すなわち自分が少年の頃までは、まだ普通には竹の稲扱を使っていた。そこへ伯耆のカナゴキ屋という行商が、毎年初秋の頃に遣って来て、分割支払法をもって鉄製の稲扱を売っていた。