Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
全体において今日の生活改善運動は、その志の概して真面目なるにかかわらず、単に物ずきだ、勝手気ままの空想だという、冷酷なる批評を外部から受けている。是はどういうわけであるか。この批評がはたして不当不親切なものであるか否か。まずもって爰にはそれを判決するだけの資格のある者が入用なので、そうして私は深く本日の聴衆に期待するのである。
今もし世のいわゆる有識階級、すなわち智徳の若干に加うるに、新たな考案方法を試みるだけの機会なり資力なりをもってした人々が、自分たちの生活を標準として何か目新しい衣食住の模様替えを工夫し、それが他の一万人中の九千九百人に、適用し得るかどうかを測量することを怠っていたとしたら如何であろうか。仮に朝晩口に任せて、逢う人ごとに同じ能書きを繰返してまわったとしても、結局それは時代の変遷とは何の交渉も無しに終るかも知れぬ。それというのが一番肝要な一点において、流通性を欠いているからである。支那の歴史の中で、東晋の恵帝は古今独歩の闇君と認められているが、或る年天下大いに飢え、万民穀乏しと侍臣が奏上した時に、そうか米が無いか、そんならシチュウでも食うことにすればよいのに(何ぞ肉糜を食はざる)と謂ったそうである。