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Japanische Klassiker mit Furigana

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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme

Aozora Bunko

そんなことが滅多にないのは、決してそういう事をしなかったからだという。杓子はこれを要するに主婦のスタッフ、大臣・大納言などの笏に該当し、また楽長の指揮棒のごときもので、すなわち家刀自の権力のしるしであった。だから女房を山の神と謂うのだとの説もある。江戸などで山の神の祭をした頃は、神に扮して舞う者は、必ず杓子を手に持っていた。その杓子は山で働く人がこしらえて、山の神に献上する習いがあった。それ故に里で家々の杓子を握る女性まで、山の神というのだと言っているが、是は実はどちらが元だかわからない。山の神も女神でまた山全体の刀自と認められていたために、後々杓子を献ずることになったのかも知れないのである。とにかくに嫁に世帯を引継ぐことを、今でも東日本では「杓子をわたす」、または「へらを渡す」とも謂っている。

添うて七年子のある仲だ嫁に杓子をわたしゃんせ

という歌が、佐渡の島にはあって有名である。山本修之助氏の『佐渡の民謡』という書の中には、このほかにもなおいろいろと嫁の心情を歌った名吟が出ている。この杓子渡しという語は、形容であろうと最初は思っていたところが、事実その通りの事をしているという話を、近頃になって岩手県の友人から聴いた。