Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme

Aozora Bunko

「お呼びしたのはほかでもないが、昼間、公の格式で会うては、親しい話もしにくいので、今夜は、すこし寛ごうという所存……。時に、万殿、お探し物は見当りましたかな」

過日の、広芝の件はにも出さないで、真っ向へこう探りを入れてみましたが万太郎もここへ来る間に、相当の応酬の用意をもっていたとみえ、

「いや、なかなか、雲をつかむに等しい手懸りで、何の端緒もつかめません。このあんばいでは、あるいは飛んだくたびれ儲けかも分らない」

何の前提もなく、彼の単刀直入に対して、こっちも底をぶちまけてしまい、その後の空虚をふさぐ為のように、ハハハハハと音響の返る天井へ高い笑い声を投げました。

「ところが万殿、偶然といおうか、きょう何心なく吹上を歩くうちに、この吉宗が、奇異な短刀を手に入れたのだが、鑑定をしていただけようか」

「刀の鑑定は、たしか、そちらの方が先輩であったと思う」

吉宗の皮肉を、万太郎は逆手に出る。しかし、さすがの彼も、昼のうちにピオの遺蹟があばかれているとは夢にも気づきません。

「いや、それが目の届かない品物、日本の鍛冶が打った物なら、わざわざ其許をよぶこともないが、どうやら異国の短刀らしく思われるので」