Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
「これ以上大目に見ているなあ、許すという意味にはならない。ただ日本左衛門が女に甘いと見られるばかり。第一おれが忘れてやるにしても、手下のやつが歯を喰いしばるので捨てちゃあおけない」
「ならば、男の方さえたたッ斬ってしまえば、お粂も目をさましてわびを入れてくるだろう」
「いやいや、このいきさつの罪は明らかに金吾になくて、お粂にある」
「金吾はおめえと仇敵、きゃつを生かしておくことは、身のあぶないばかりでなく、夜光の短刀をさがす上にもだれより邪魔になると思うが」
――もうそれ以上は答えないで、日本左衛門はただ微苦笑をもらしておりましたが、
「それはそれ、これはこれ」
と、つぶやきながら板子の焚きつけを持って綺麗な火の子をほじり立てる。
その時、街道から磯へ降りてくる一群の人影が見えはじめました。先の者がここの焚き火を見て見当をつけて来るように、日本左衛門もやおら立ち上がッて、皎々たる月光に、それが待つ者であることを遠くから読んでいたようであります。
なにか罵り合いながらやがてそこへ近づいて来たのは、お粂を拉して急いできた雲霧、四ツ目、尺取なんどの連中で、
「親分、お待たせいたしました」