Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme

Aozora Bunko

「じゃ相良様、いろいろお話もございましょうから、手前は一足お先に仲間の者を追いかけます。え? 何処へって仰っしゃいますか? 木賊を越えて秩父の奥、秩父をすぎて中仙道、それから上総の鹿野山で落合おうというのが仲間の約束でございますから、日本左衛門もいずれその方角で……。じゃ、また秩父か何処かで、お目にかかる事になりましょう、何しろあっしのような日蔭者には禁物な親方がそこにおいでですから、ひとまず御遠慮いたします」

と、釘勘の方を向いて笑いました。

あっ……

気味のわるい薄笑いを自分に向けられて、釘勘は初めてハッと感づきました。こいつは日本左衛門と秤量に掛けてどッちともいえない凶状持ち、秦野屋という老賊ではないかと。

けれど、九兵衛はそのとたんに、器用にどこかへ立ち去っていました。

こう砂も立てない器用な逃げかたをされると、目明しとしての釘勘も、さまで口惜しい気持にもなれませんでした。ただ、金吾と彼との関係を不審と思って見送ったのみであります。

その疑点は、やがて金吾の口から解いて話し出されました。――彼がもと金吾の父に仕えていた者であること、また報恩的な行為に出た老賊の気持など、その動機から今夜までの経過をつぶさに聞くと、万太郎は一も二もなく感激して、