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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、父の時政は、賢しくて美しいこの政子を、最も重荷に感じていた。政子の気もちを汲めば、嫁ぐなら都の男へと念じているにちがいないと、その知性や日常の好みに照らしても、親の眼から察しるに難くないからであった。

恥ずかしくない家がらで都会の子弟とあっては、伊豆の片田舎からわざわざ妻を娶ろうなどという聟君は、まずないと云ってもよい。豆相の近国でこそ、北条殿の息女といえば、どんな深窓の名花かと、見ぬすがたを、垣間見にでもと、あこがれる若殿輩もあるが、佳麗な容色は、巷にもこぼれているような京都の公達などからいわせれば、

(瓜の花や、豆の花では、どんなに綺麗といっても、土臭かろう)

と、目にもくれる気風ではないのである。殊に、近頃のように爛熟した中央の文化と小役人までが皆、平家の係累をひく者に満たされて、華美に過ぎてむしろ繊細なもののみを病的に愛する官能には、北条家のむすめ達など、一人としてそれらの都人の好みに適うものはいない。

――と云うて、政子の性情や好みは、伊豆、相模、武蔵あたりの近国の土豪の息子では、嫁ぐ心もないらしいのであった。彼女は、自分の聡明と美貌とを、誰よりも大事に持っていた。