Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
けれど、政子は、おうけ致しますまい」
「どうして?」
「政子には、政子が秘かに想うている人がありますゆえ――」
宗時は、自分の一言に、父の顔いろがさっと変ったのを見たが、妹の身になって遣るつもりで、云って退けた。
「――それは、今でこそ、佗しく暮しておられますが、さすがに私たちが見ても、どこか違っている源家の嫡流の佐殿です。――あの頼朝殿へ、妹は、嫁ぎたがっております」
「…………」
ややあってから、呻くように、時政は息子の宗時へ、
「……ほんとか?」
と、乾からびた声を密めた。
宗時が、臆面なく、近ごろ頼朝と妹のあいだに、眼につくほど恋文のやり取りや、忍んで会う夜もあるらしいなどと語ると、時政の面色は、何とも名状しようのない昏惑と憤りに、つつまれた。
宗時は、父の怒りが、そのまま政子や義母にかかるのを惧れて、後から機嫌をとった。
「――山木殿のほうは、何とか、この宗時から、体よく断りましょう。そのほうはご安心下さい。そして、どうか政子の望みをいれて、佐殿へ彼女をお遣わしくださるように兄の私からも、この通りおねがいいたしまする」
両手をつかえて、宗時が、妹に代って云うと、とたんに、時政は、ぬっくと立って、