Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
「ちょっと、相模の父の家へ、用たしに行ってくる」
と、厩から馬を曳き出して遽に出て行った。
「郷の家に用事ができた」
「叔父貴から手紙が来た」
「三島まで買いものに行く」
などと、それから続いて、ここの家人が次々に、配所から暇を告げて出て行ったので、配所は急に、無人になった。
けれど、入れ代りに。
土肥次郎実平、工藤介茂光、岡崎四郎義実、宇佐美三郎、天野遠景、加藤次景廉などという人々や、日頃もよく見える面々が、一名ずつ頼朝の室へ招かれて、
「異存なあるや?」
と、十七日を旗挙げと決めている――意中の底を打明けられた。
もとより、将来の大計とか、当日の戦略とかいう機密は、頼朝と時政のふたりだけが、胸にたたんでいた事だった。
「この期に、何の異存がありましょう。あなたがお起ちあれば、今が今でも、日頃の誓いを、陣頭で示すだけの用意はいつでもしております」
誰の答えにも、ためらいは見えなかった。むしろ実行に迫ってから、各※(二の字点、1-2-22)の意地には、なお強烈なものが加わって来たかに感じられた。――よしっと、頼朝も心のうちで、この計画の可能性が、多分に信じられて来た。