Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
わけて、従兄弟にあたる金王丸は、童の頃から六条のお館に仕え、義朝様が御前様の許へお通いなさる折は、いつもお供について行きなどいたしたものです」
「…………」
常磐のふところに抱かれている嬰児が、ふとまた、むずかり気味に乳をさぐりかけたので、光厳は、自分の声に恟っとしたように、口をつぐんでしまった。
念じるように見まもっていると、よいあんばいに、牛若はすやすや睡った。光厳は、自分の声に気をつけながら、
「――ですから、年暮の二十六日の朝から、ご合戦となって、洛内の町中に、あの凄まじい焔と黒煙が立ち昇り出してからは、お館の安否と共に、御前様はどう遊ばしたか、幼い和子様たちはどう召されたやらと、夜も睡らず、昼は間がな隙がな、ここから一目に見える町の煙ばかり眺めやっておりました。……するとです、ちょうど大晦日の真夜中、従兄弟の金王丸が、和子たちを背負い、あなた様を励まして、これへ上って見えました。……そして、父祖以来の恩返しは今する時だ。光厳頼んだぞ。自分はなお、近江路から美濃へ落ち行かれたお館やご一門の先途を見届けねばならぬ身ゆえ――と、いわれた時は、人に信じられたという欣しさと同時に、途方にも暮れましたが、僧門にいる身の悲しさ、やはり私にはこれだけの力しかございません。