Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
藤九郎盛長は、足のしびれるほど、長い間、常胤の世間ばなしを聞かされた。
都の女から、恋歌をもらったりした事のある若い時代の秘め事まで、おもしろげに云い出すのであった。
「時に」
幾度か、改まって、口を切り出そうとしたが、外らされてしまう。
そのうちに酒肴が出た。
なおいけない。
宴がすすむと、孫たちから、家人の某、某、某――と次々に出て来ては、
「さあ、お寛やかに」
と杯をすすめた。
盛長は、元来が武骨者である。行儀も長持ちはしないので、もう臍をきめた。ままになれと寛いで、大いに飲み出した。
千葉介も、微酔のよい機嫌になって、
「それでこそ、坂東武者よ。どうも、最前はまだ、佐殿のお使いとはうけ取れなかった。――世も革まって、新しい泰平となったらまた、ずいぶん平家衆のみやびもお真似なされじゃが、きのう今日、伊豆を這い出た坂東者や若人が、今から人の顔いろばかり恐れているふうでは、ちと心もとない。……さあ、存分に、こよいは飲んで」
と、鼓など取寄せて、女たちに打たせた。
老人は、何もかも分っている。――あの言葉の様子では、頼朝様の書面も受け取ってくれる気持にちがいない。