Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
「では、伯父様には、わたくし達を、探し歩いて――」
「探したの何のと云って、洛内洛外はおろかな事、いやもうひどい憂き苦労をしたぞ。そのうちにも、お館の義朝様には、お首となって、東獄の門前へ曝し物にはなるし」
「…………」
「知っているか、常磐」
「はい。伝え聞いております」
「義平様、朝長様、その他のご一門も、毎日のように、六条河原で首斬られた」
「…………」
「聞いているか」
「おりまする」
「……常磐」
「はい」
「汝れは、泣いてもおらぬが――悲しゅうないのか」
「悲しいなどという事は、もっと世にありふれた場合の事でございましょう。涙も忘れました。ただ今の私には、この三人の和子さま方の母だという事しか考えられませぬ」
「さ。そこでだ」
鳥羽蔵は、息を撓めて、
「それなら、おまえの母親は、どうしているか、知っているか」
「存じませぬ」
「六波羅に捕まっているぞ」
「……?」
「夜ごと日ごと、問罪所の白洲で、拷問にかけられておるそうな。――常磐を匿したに違いあるまい。義朝と生した子供等の行方を云えと」
「……ほ、ほんとですか」
「嘘な筈があるか。都では隠れもない取沙汰だ。かあいそうに、あの年よりが、一枚一枚、手足の生爪を剥がされて、常磐の行方を云え、行方を吐ざけと――」