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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

兵の脱軍が続出する。

辛くも、そんな状態の折、豊後へわたる八十余艘の兵船と、一時しのぎの糧米が手に入った。――だが、乗りきれない者のうちには、身に着けている甲冑を売払って、小舟を買入れ、それへ部下の兵と共に乗って、後を追った将さえあった。

鎌倉でもさすがに見ていられなくなった。頼朝は急使を向けて、

「九州攻めはよさぬか、敵の本拠は九州ではない。四国を討て」

と命じたが、間にあいそうもない。遠隔の征討軍はすでに全滅のほかはない運命にあった。

京都にある義経に対して、

「急遽、出動せよ」

と、兄頼朝の書状がとどいたのはこの際であった。

義経は、それを見て、

(身勝手な兄)

と思う遑もなかった。いきなり欣しさが先にこみあげて来たのである。

「これで、兄の怒りも解けた。この天下大事の秋に、この身も、死に場所を得たというもの」

真実、彼の考えはとたんに死ぬ事であった。死を誓わずしての今度の出陣などは、彼には、思いもよらなかった。

その日、勢揃いして、院の御所を拝し、いよいよ戦地へ出発という際、彼は、国々の武者どもへ向ってこういい渡した。

「義経、このたび罷り下るうえは、断じて、平家を掃滅しつくさねば、生きて還らぬ所存である。