Japanische Klassiker mit Furigana
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とおのものがたり
遠野物語
柳田 国男
Lesen Sie 遠野物語 (とおのものがたり) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.063 Zeichen · 79 Bildschirme
四三
四四
なお強く突き入れながら人を喚ぶに、誰も誰も怖れて近よらず。その間に鉄の腕は狼の腹まで入り、狼は苦しまぎれに鉄の腕骨を噛み砕きたり。狼はその場にて死したれども、鉄も担がれて帰り程なく死したり。
○ワッポロは上羽織のことなり。
四三 一昨年の『遠野新聞』にもこの記事を載せたり。上郷村の熊という男、友人とともに雪の日に六角牛に狩に行き谷深く入りしに、熊の足跡を見出でたれば、手分してその跡をめ、自分は峯の方を行きしに、とある岩の陰より大なる熊此方を見る。矢頃あまりに近かりしかば、銃をすてて熊に抱えつき雪の上を転びて、谷へ下る。連の男これを救わんと思えども力及ばず。やがて谷川に落ち入りて、人の熊下になり水に沈みたりしかば、その隙に獣の熊を打ち取りぬ。水にも溺れず、爪の傷は数ヶ所受けたれども命に障ることはなかりき。
四四 六角牛の峯続きにて、橋野という村の上なる山に金坑あり。この鉱山のために炭を焼きて生計とする者、これも笛の上手にて、ある日昼の間小屋におり、仰向に寝転びて笛を吹きてありしに、小屋の口なる垂菰をかかぐる者あり。驚きて見れば猿の経立なり。恐ろしくて起き直りたれば、おもむろに彼方へ走り行きぬ。