Japanische Klassiker mit Furigana
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とおのものがたり
遠野物語
柳田 国男
Lesen Sie 遠野物語 (とおのものがたり) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.063 Zeichen · 79 Bildschirme
一〇七
一〇八
常に外国の景色なりという。見馴れぬ都のさまにして、路上の車馬しげく人の往来眼ざましきばかりなり。年ごとに家の形などいささかも違うことなしといえり。
一〇七 上郷村に河ぷちのうちという家あり。早瀬川の岸にあり。この家の若き娘、ある日河原に出でて石を拾いてありしに、見馴れぬ男来たり、木の葉とか何とかを娘にくれたり。丈高く面朱のようなる人なり。娘はこの日より占の術を得たり。異人は山の神にて、山の神の子になりたるなりといえり。
一〇八 山の神の乗り移りたりとて占をなす人は所々にあり。附馬牛村にもあり。本業は木挽なり。柏崎の孫太郎もこれなり。以前は発狂して喪心したりしに、ある日山に入りて山の神よりその術を得たりしのちは、不思議に人の心中を読むこと驚くばかりなり。その占いの法は世間の者とは全く異なり。何の書物をも見ず、頼みにきたる人と世間話をなし、その中にふと立ちて常居の中をあちこちとあるき出すと思うほどに、その人の顔は少しも見ずして心に浮びたることをいうなり。当らずということなし。例えばお前のウチの板敷を取り離し、土を掘りて見よ。古き鏡または刀の折れあるべし。