Japanische Klassiker mit Furigana
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とおのものがたり
遠野物語
柳田 国男
Lesen Sie 遠野物語 (とおのものがたり) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.063 Zeichen · 79 Bildschirme
一〇一
されどもかかる夜中にひとりこの辺に来べき道理なければ、必定化物ならんと思い定め、やにわに魚切庖丁を持ちて後の方より差し通したれば、悲しき声を立てて死したり。しばらくの間は正体を現わさざれば流石に心に懸り、後の事を連の者に頼み、おのれは馳せて家に帰りしに、妻は事もなく家に待ちてあり。今恐ろしき夢を見たり。あまり帰りの遅ければ夢に途中まで見に出でたるに、山路にて何とも知れぬ者に脅かされて、命を取らるると思いて目覚めたりという。さてはと合点して再び以前の場所へ引き返してみれば、山にて殺したりし女は連の者が見ておる中についに一匹の狐となりたりといえり。夢の野山を行くにこの獣の身を傭うことありと見ゆ。
一〇一 旅人豊間根村を過ぎ、夜更け疲れたれば、知音の者の家に灯火の見ゆるを幸に、入りて休息せんとせしに、よき時に来合せたり、今夕死人あり、留守の者なくていかにせんかと思いしところなり、しばらくの間頼むといいて主人は人を喚びに行きたり。迷惑千万なる話なれど是非もなく、囲炉裡の側にて煙草を吸いてありしに、死人は老女にて奥の方に寝させたるが、ふと見れば床の上にむくむくと起き直る。