Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「房五郎の野郎、打ち殺しても飽き足らねえ野郎だが、ただ野良犬のように殺したんじゃ胸が治まらねえ。――俺はこの間から、どうして思い知らせようか、そればかり考えているんだぜ」
「…………」
義理の兄ながら、人殺しの兇状持で、世間から白い眼で見られている岩松、――性根の良いことは一緒に暮している新吉が百も承知ですが、一たん思い立つと、何をやり出すかわからない、恐ろしい激情家でもあったのです。
「そこでな新吉、俺は大変なことを思い付いたんだ。お駒とお前が仲の好いうちは、俺はその気にもならなかったが、今となっちゃ止められる心配もあるめえ。――大きな声じゃ言えねえが、房五郎を苦しめるのは、自慢の娘のお駒をどうかするのが一番だ」
「兄さん」
「黙って聞け」
「兄さん、後生だから、そんな事は止して下さい。捨てられたのは私の腑甲斐なさで、お駒に少しも悪いことはありません」
新吉は、兄の腕にも膝にもすがり寄って、その無法な企てを止めたい心持でいっぱいでした。
「馬鹿野郎、そんな弱気だから、女の子にまで舐められるんじゃないか。俺のするのを黙って見ているがいい。――今晩は房五郎も女房のお仙も、あのばか息子の定吉も留守だってえじゃないか。