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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

「それから、誰にも言うな、この平次は御用聞だが、親の敵を討った孝行者を縛る縄は持っていない。いいか、お藤」

「親分さん」

平次に肩を叩かれて、お藤は身も浮くばかりに泣いておりました。そのわななく洗い髪を照して、何という美しい春の月でしょう。

*

八五郎にお藤を送らせ、金六には別れを告げて、平次は八丁堀の役宅に、与力笹野新三郎を訪ねました。

「どうだ、平次、下手人は解ったか」

笹野新三郎は、この秘蔵の御用聞の手柄を期待している様子です。

「平次一代の不覚、――下手人は挙がりません。お詫の印、十手捕縄を返上いたします」

平次はそう言って、懐中から出した銀磨きの十手と、一括の捕縄を笹野新三郎の前に差出しました。

「また何か縮尻をやったのか、仕様のない男だ――まアいい、奉行所の方は、鎌鼬にしておこう」

「鎌鼬は剃刀を使いません」

「それでは自害か――自害に下手人のあるはずはない、十手捕縄の返上は筋が立たぬぞ」

「ヘエ――」

「ハッ、ハッ、ハッ、困った男だ」

笹野新三郎は笑いながら背を見せました。昔の捕物にはこういった馬鹿な味があったものです。

「親分、あの娘はたいした代物だね。