Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「それじゃ、やはり」
ガラッ八は、小田巻直次郎の押入の中にあった、夥しい小判と小粒のことを考えていました。
「だがな、八、小田巻直次郎が、身に覚えがあるなら、何だって金を見せたんだい」
「それが、あっしにも解らねえ」
ガラッ八は仔細らしく小首を傾げます。
「持ちつけない金を持つと、人に見せびらかしたくなるものか、ね、八」
「違えねえ」
だがしかし、それでは説明しきれないものが、二人の胸に大きく根を張っているのでした。割り切れない心持で明かした一と晩、翌る日は局面がすっかり変っておりました。
「た、大変ッ、親分」
ガラッ八が飛込んで来たのは、まだ卯刻半(七時)そこそこ、平次はようやく起出して、これから朝飯という時です。
「何だ、八、また誰かやられたのか」
「それが大変なんで、親分」
「早く言いな、斬られたのは誰だ?」
「小田巻と犬で」
「何?」
「小田巻直次郎と、白犬が斬られましたよ、親分」
「しまった」
平次は唇を噛みました。うっかり変な雪駄などを見付けて、自分の智恵と運とを誇りたいような心持になったばかりに、辻斬に縁のある小田巻直次郎の口を、永久に塞がれてしまったのです。